従業員の高齢化にどう対応する?企業の若返りのためにやるべきこと

目次
従業員の高齢化の現状
下記のグラフをご覧通り、31人以上規模企業における60歳以上の常用労働者数は約457万人で、平成26年と比較すると、約170万人(59.0%)増加しています。また、21人以上企業規模における60歳以上の常 用労働者数は約486万人で、令和3年と比較すると、約39万人(8.6%)増加しています。これらのことから男女問わず、企業の従業員平均年齢は、右肩上がりであることがわかります。
従業員の高齢化が企業にもたらす影響
高齢化というと60歳以上をイメージしているかもしれませんが、業務の中核を50歳以上の従業員が中心になって行っている場合、そこにリスクがあるといえます。従業員の高齢化が企業にもたらす影響は大まかに下記のようになります。
1.生産性の低下
高齢者は体力や健康状態の問題により本来のパフォーマンスが発揮しにくくなります。年齢による判断力の低下、作業スピードの低下は、避けられません。それにより、仕事上でのミスが増えたり、効率性が低下したりします。
2.病気による離脱
年をとると、健康問題もおこりやすくなります。健康問題により、急に離脱すると会社の業務も混乱しかねません。
3.DX化が遅れる
新しいシステムやITツールを習得するのに時間がかかる場合があります。また、データ化を推進していても、データを毎回印刷したり、ドキュメントをペーパーで残してしまうなど、社内のDX化がうまく進まない場合があります。
4.会社を変化させにくい
すでに定年が近い場合、現状維持のスタンスになりがちで、新しいものに挑戦するモチベーションが湧きにくくなります。また新しいものへのアンテナがあまり敏感ではないため、アイディアも浮かびにくく新しいものを提案することが難しくなります。
5.なんとなくセンスのいい会社にみえない
若手からみたときに、50,60代の従業員が中心になって、アナログな業務をしていると、なんとなくイケてないなと思ってしまいます。若手の採用にあたり会社の「なんかイケてる会社」「楽しそうな会社」というイメージは大変重要です。
解決策
1.女性の活用
近年働く女性が増えているなか、育児や介護などのステージで、まだまだ女性がキャリアを諦めることが多いです。そのような、働く意欲はあるけど、時間や場所に制約がある女性をリモートワークの活用やフレックス制の導入などで、採用していくといいでしょう。
2.M&A
そもそも後継者がいない場合は、M&Aは後継者不足だけでなく、人材不足も解消する有効な方法と言えます。採用には予算の他に、会社のブランド力も重要になってきます。資本力のある大きな会社の傘下にはいることで、採用に多くの予算がさけるだけでなく、会社のブランド力により若年層の獲得も可能になります。
まとめ
従業員の高齢化は事業規模、地域を問わず深刻な問題となっています。HRは会社の経営戦略の重要な一部です。従業員の高齢化対策としてのM&A、事業承継、会計システムのDX化などを検討することは有効な対策と言えます。