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【税理士が解説】親族内承継の注意点をお伝えします!

親族内承継とは

親族内承継は、経営者が自身の親族(子供、孫、甥、姪、兄弟など)に会社の経営を引き継ぐことを言います。
この方法は、日本では最も一般的な事業承継手法であり、2018年には42.7%が同族承継により経営者に就任しているが、2022年には同割合は34%になっています。
少子化や、子が家の事業を継ぐことが必ずしも一般的ではなくなってきていることを背景に後継者不足が顕在化し、親族内承継の割合は減ってきているものの、まだ、一定程度親族内承継を行う企業はございます。

親族内承継は簡単?

よく、クライアントと事業承継について話しているときに、

「うちは息子が継ぐから心配ないよ」
「私がまだ現役だし、まだ娘には具体的な話はしなくて平気だよ」

といった言葉を聞きます。

たしかに親族内承継は、他の従業員承継や第三者承継と比較して、一定程度信頼できる後継者がすでにいる点については、メリットはあります。

ただ、身内だから何も準備しなくても事業を承継できるのかというと、それはできません

また身内だからということで事業を継ぐ意思確認を怠っていたり、準備や育成を先延ばしにしてしまい、ギリギリの段階で、継ぐ気がなかった、育成が間に合わなく経営者としの力量が足りないなどの問題が浮上するケースもまれではありません。

親族内承継も事前の十分な準備が必要であることは念頭に置いておきましょう。

親族内承継の手順、注意点

親族内承継は一般的に下記のような手順で進められます。

  • 親族内から後継者を選んで育成する

適切な資質を備えた人物を選定し、会社を経営するのに必要なスキルや知識を身に着けさせることが重要です。
会社の事業に関する基本的な知識から、経営者として必要なスキルまで、現代表者から直接学ぶほかにも、セミナー等を活用して能力開発をする必要があります。

  • 株式等の会社資産の承継準備をする

株式会社が事業承継をする場合、自社株を移転する必要があります。
親族内での所有割合を明確にする他、株式を移転する方法を検討する必要があります。
株が親族内で散ってしまっている場合は、株式の集約に思わぬ時間がかかったりするケースもあります。

また、株価が高額の場合は、株の移動に際し、多額の税金が発生することもあります。

生存贈与・相続などで株式を引き継ぐ場合は、節税対策のためにも闇雲に株を渡すのではなく、計画的に移動させたほうがよいです。

従業員、取引先及び銀行等に事業承継等について公表する

従業員、株主、取引先及び銀行等に経営者の交代を公表するタイミングも事前に計画しておく必要があります。
親族内承継の場合は、利害関係者の理解が得やすとはいえ、取引先の場合は、交代する前に何度か訪問したり、公表前に従業員に積極的に関与し馴染むなど、公表のタイミングでスムーズに受け入れられるような準備をしておく必要がああります。

  • 借入などの個人保証を後継者に変更する

会社の代表者が会社の借入の個人保証や、個人資産を担保にいれている場合、金融機関と相談して保証や担保を後継者に付け替える必要があります。
付け替えが可能かどうか事前に銀行側と相談すると同時に、後継者にもしっかりと伝えておくことが重要です。
後継者が、個人資産を所有していない場合、担保の付け替えができない場合があります。
また、後継者や後継者の家族が保証人になることに難色をしめす場合があり、ここで行き詰るケースも多いです。

まとめ


上記の他にも、最新の税制(事業承継税制等)の活用や、補助金の申請等知っておくべきことは多岐にわたります。


親族内承継だから、身内だからいつでも事業をひきつげると高を括って、無計画のまま進めると、事業承継がスムーズにいかないどころか、多額の税金を払うことになってしまったり、ひいては、事業承継自体が失敗に終わってしまうこともあるので、専門家の力を借りながら計画的に進めることをおすすめです。

少しでもお困りの時は当事務所までご相談ください。



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