事業承継とは
事業承継とは、文字通り「事業」そのものを次の世代に「承継」する取り組みです。
承継後に後継者が安定的な経営でさらなる成長をはかるためには、「株式の承継」「経営者の交代」させるだけでなく、経営資源全てを承継させる必要があります。
経営資源とは、一般的に「人(経営)」、「資産」、「知的資産」の要素が挙げられます。
- 人(経営)の承継
- ・経営権
・後継者の選定や育成
- 知的資産の承継
- ・経営理念
・従業員の技術や技能
・ノウハウ
・経営者の信用
・取引先との人脈
・顧客情報
・許認可
・知的財産権(特許等)
- 資産の承継
- ・株式
・事業用資産(設備・不動産等)
・資金(運転資金・借入等)
①人(経営)の承継
「経営権の承継」を意味します。
特に中小企業では、経営者にノウハウや取引関係等が集中しています。
経営の円滑な運営が、経営者の資質、信頼によって左右されるところが多く、多くのノウハウは、経営者の頭の中にあり、マニュアル化されていません。
親族内承継、社内承継を進める場合は、早めにトレーニングを開始する必要があります。
よくありがちなのが、「継いでくれると思っていた・・・」という問題です。
経営者が一方的に親族や、社内の後継者候補に期待していて、具体的な意思確認はしないまま、承継ギリギリになり、継ぐ気はないと断られるケースです。
そのような自体を防ぐためにも、早めに後継者候補に思確確認を行い、トレーニングを開始しましょう。
また、近年では後継者が見つからずに、外部の第三者を視野にいれる場合もあります。
②資産の承継
資産の承継とは、事業を行うために必要な資産を後継者に承継することを指します。
主に現経営者個人が所有する株式や事業用資産(設備・不動産)、資金(運転資金・借入等)があります。
資産を移動すると、そこに多額の税金がかかることがあります。
また、中小企業の場合は、個人資産と会社資産が混在している場合が、よくあり、経営者以外の親族が会社に必要な経営資源を所有していたりすると、相続の問題も合わせて検討する必要などがあります。
税理士に相談して検討してもらうのが一般的です。
③知的財産の承継
知的資産の承継とは、無形の資産、つまりその会社の競争力の源泉となる強みを継承することを指します。
例えば人材、技術、技能、知的財産(特許・ブランドなど)、組織力、経営理念、顧客とのネットワークなどが知的資産に挙げられます。
御社の経営に重要な知的財産が何であるか知るために、自社の強みや弱み、事業機会、事業脅威を分析する必要があります。
中小企業の場合、特定の人に技術が集中している、作業が属人化している場合はよくあります。
そのような場合、その特定の方が、事業承継をきっかけに退職するようなことになると知的財産の承継がうまく進まなくなる可能性があります。